
2010年3月に食道がんを告白し、
治療に専念していた作詞家で直木賞作家のなかにし礼さんが
2010年10月1日にテレビ朝日系「ワイド!スクランブル」の
レギュラー・コメンテーターとして仕事復帰していたことがわかった。
●なかにし礼さんのプロフィール
1938年9月2日生まれの74歳。
職業は、日本の小説家、作詞家。
なかにし礼さんが受けていた陽子線治療は、
放射線治療の一種であるもので、体内の一定の深さで止めることができる。
通常の放射線治療(X線)は、ほかの正常な臓器組織に傷をつけてしまうため
推奨しない。
しかし、この陽子線治療は、影響を与えないので、
がん病巣を狙い打ちできる。
ただし、この治療ができる施設は全国で7カ所しかなく、
公的保険の適用もないため、治療費は240~290万円と高額で
自己負担になります。
陽子線治療を決意した、いきさつについて、
なかにし礼さんは
「名医、ゴッドハンドと呼ばれる方にも診断していただきましたが、
日本ではがんの治療は抗ガン剤、手術、放射線という決まって形になっている。
しかし、わたしのように心臓に疾患のある健常者じゃない患者へのがん治療は
確立していない。自分で方法を考えるしかないと、急に目覚めて真剣に調べ始めた」
とコメントしています。
結局、4人の医師と治療方法を巡って決裂し、2晩寝ないでインターネットで
見つけたのが陽子線治療。この治療ができる千葉県柏市内の病院に
「モルモットになってもいいから、全知全能を傾けて治して下さい」と、
いきなり飛び込んだという。
治療は週5回。これを7月から計6週、合計30回繰り返した。
なかにし礼さんは「週5回通ったけど、治っているか自分でも分からない。
とにかく30回の治療が終わってCT、胃カメラ、PET‐CTを撮ったら、
がんが消えていたんですよ」と激白したそうです。
がんから生還したなかにしさんは
「がんになってもう1人の自分の向き合う意識が芽生えた。
がんにかかったことに感謝している」と言い切ったそうです。
なかにし礼さんは食道がんですが、
陽子線治療は前立腺がんにも有効なのでしょうか。
国立がんセンター東病院では、先進医療として前立腺がんの陽子線治療を行っています。
また、陽子線治療と同じ分類の重粒子線治療というものがあり、
重粒子線は、陽子線に比べ、線量の集中性が高い傾向にあります。
前立腺がんの重粒子線治療を行っているのは、日本では
千葉県にある放射線医学総合研究所だけです。